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ホラーじゃなくてSF哲学。『リング』三部作の感想 

読書の話をするときに、僕は必ず『リング』シリーズを推す。すると、人は必ず「えっ」と唖然とする。なぜあの「貞子」が出る本を推すのかと。そしてその次に決まって「ホラーは興味ないな」と返って来る。それどころか小説が原作であることすら知らなかったってことの方が多い。

僕も怖いものが嫌いというわけではないが別段ホラーが好きな人間ではない。しかし、このシリーズを手に取ったきっかけは気まぐれで貞子を調べているときにリングシリーズがSFであり、宗教観を揺るがすほどの大作であると出てきたからだ。実際に読んでみてもその期待は裏切られなかった。



まずは第一章の『リング』だ。本作はあの映画版リングの原作となった作品である。シリーズの中でも一番ホラーテイストが強いのだが、どうやらホラー小説の中でも合理性に優れた作品だという。私は他のホラー小説を読んだことが無いので比べようもないが、ホラーの中に謎解き要素が散りばめられていた。

四人の若者の怪死事件。その共通点であるビデオテープ(原作では呪いのビデオを単に「ビデオ」「ビデオテープ」と呼ぶ)の出処と山村貞子という人間について、じわじわと真相に迫っていく内容であった。

また、タイムリミットで迫る死に直面した焦燥感と恐怖に駆り立てられる主人公の心理描写も細かに描かれていた。呪いの正体をウイルスのせいにして納得しようとするシーンも科学を信奉する現代人を風刺しているようで面白かった。

個人的にはリングシリーズで一押しのキャラは何と言っても高山竜司である。彼はビデオの呪いを「ゲーム」と称して喜んで参加するなど、その狂気とも言える好奇心と執着心には貞子以上の恐怖を覚える。彼の活躍をあまり語るとネタバレになってしまうので詳しく言えないが、竜司を語らずしてリングシリーズは語れないほどに驚愕させてくれるだろう。



さて、本題である続編からSF色を帯びてくるのだが、残念ながらこれも語りすぎるとネタバレになってしまうので真相に直接触れないように紹介したい。第二作『らせん』は貞子の呪いの真相と巻末について医学サスペンスの形で描かれている。また、最終作『ループ』は実は前作までの出来事は仮想現実の出来事だったという衝撃の事態が発覚する。

第二作からは生命の在り方がテーマとなってくる。『らせん』は生命の進化について、『ループ』は生命の誕生をテーマにしている。なぜ生命は誕生し、進化したのか?欧米では進化論と創造論の議論が科学的・宗教的に白熱しているが、今作は進化論を信じ切っている日本人を進化論と創造論の狭間に誘ってくれることだろう。

個人的にはやはり『ループ』が一番面白く読めた。また一番怖いシーンがあるのも『ループ』である。怖いと言ってもオカルトではなくSF的なものだが。また、バイクでアリゾナの荒野を駆け抜けるシーンは印象に残った。広大な自然の偉大さと、それを感じ取れる自分に対する生きている実感が読んでいるだけで湧いてきた。実際に自分も現地をバイクで突っ走ってみたいものだ。



『リング』シリーズは貞子がモンスターパニックとして独り歩きしてしまった感があるが、映画版のテレビから飛び出てくるシーンは無い。
ホラーに興味が無い方、いや、所謂「深い話」を求めている方にこそ本シリーズを手にとってほしい傑作「SF」作品である。
ところで、2018年は映画版『リング』20週年であると同時に『ループ』発売20週年でもある。

今までなぜ『ループ』だけ映像化しないのかと思っていたが、実際に読み終わったらあの作品は映画の設定ではそもそも無理がある作品だと悟った。

もし映像化するのならば、どうか映画版の文脈からから独立したSFアニメ作品としてあの壮大な世界を描いていただきたい。きっと劇場版『攻殻機動隊』のように世界を震撼させる傑作アニメになるかもしれない。個人的にはあのバイクのシーンは是非映像として目に焼き付けたい。
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